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1967 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 窒素活性種ニトレンをアジドぎ酸エチルの光分解により発生させて, 環状エーテルあるいは環状アセタールへとの反応を検討した. 主たる攻撃が,エーテル酸素の隣のC--H単結合への挿入反応であること を明らかにした.
共著者は,野崎 一 (京都大学名誉教授), 故高谷秀正 (元京都大学教授),野依 良治 (名古屋大学教授,2001年 ノーベル賞)の各氏で,小生の最初の論文です.
1968 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] ニトレンをアジドぎ酸エチルの熱分解により発生させ, 二重結合への付加反応を調べた. この反応では, cis-オレフィンからは cis-アジリジンが, trans-オレフィンからは trans-アジリジンが, 選択的に生成することを明かにした.
[概要] 1,2,3-トリフェニルアジリジンの光分解反応の生成物を 精査した. 低級アルコールを溶媒とした場合には, ベンズアルデヒドアセタールとN-ベンジルアニリンとを 生ずる経路と ベンジルアルキルエーテルとベンザルアニリンとを 生ずる経路とが競争的に起こることを見つけた. また,シクロヘキサンを溶媒として用いると 1,2,3-triphenyloctahydroisoindoleが 得られた.
1969 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] Ethyl 2-methyl-3-phenylaziridine-1-carboxylateのcis-体 をジメチルスルホキシド中で加熱すると, alpha-carbethoxyaminopropiophenoneおよび alpha-carbethoxyamino-alpha-phenylacetoneが 93:7の割合で生成する. trans-体の場合は生成比が逆転して40:60となることを 見つけた. この反応はaziridine-1-carboxylate類に広くみられることを報告した.
[概要] 1-Phenylcyclohexeneを酢酸中で光照射すると, phenylcyclohexane, 1-methyl-1-phenylcyclohexane,および 1-acetoxy-1-phenylcyclohexane が生成する. これらの生成機構を考察した.
[概要] ピリジン環の2,6-位をヘプタメチレン鎖で 架橋した化合物(ピリジノファン)を初めて合成した. このヘプタメチレン鎖の真中のプロトン のNMRスペクトルは, ピリジン環の影響により高磁場シフトを示す.
1970 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 9-Ethoxycarbonyl-9-aza-bicyclo[6.1.0]nonane の酸性条件下での環開裂反応を検討した. 通常の開環体とともに渡環反応による生成物を単離した.
[概要] 各種のアジリジン-1-カルボン酸エステルの スルホキシドによる酸化的開裂反応を検討した. アジリジンは ニトレンのオレフィンへの付加あるいは イソシアン酸ヨードによる方法で容易に 合成できるので, この反応はalpha-カルボアルコキシアミノ-ケトンの 一般的な製法となる.
[概要] 2-Cyclododecenoneより出発して,[9](3,5)pyrazolophaneおよび 11-methyl[9](2,4)furanophaneを 合成した.
[概要] Cyclododecane-1,5,9-triolの酸化反応を検討した. 生成物としてジオンの段階で分子内ヘミアセタールとなったものを単離した.
1971 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 3-Ethynyl-2-cyclononenolの水和により3-acetyl-2-cyclononenolを 得た.これを鍵化合物として 8-methyl-[6](2,4)thiophenophaneおよび N-aryl-8-methyl-[6](2,4)pyrrolophane類を 合成した.スペクトルデーターによりその歪を論じた.
[概要] フェニル基の置換したシクロプロパン環の光反応を検討した. 1-Phenylbicyclo[3.1.0]cyclohexaneの 酢酸中での光照射では, 1-acetoxy-1-phenylcyclohexane, 3-acetoxy-1-phenylcyclohexane, 1-methyl-1-phenylcyclohexane等を得た.
[概要] 6-から8-員環の1-フェニルシクロアルケンを酢酸あるいはプロピオン酸 中で光照射すると,対応するエステルが得られる. また副生成物として 1-フェニルシクロアルカンおよびアルキル体を単離した. これらの化合物の生成機構を議論した.
[概要] 2-Phenylaziridineの絶対配置を決定した. スチレンにイソシアン酸ヨウ素を反応させたのち, (-)-メントールを反応させてエステル体を得た. このエステル体の再結晶により2種のジアステレオマーを 分離しそれぞれを2-phenylaziridineに導いた. 一方エステル体のヨウ素を還元して,絶対配置既知のフェネチルアミン 誘導体とした.この結果 絶対配置として(R)-(-)および(S)-(+)を得た.
[概要] [7](2,6)Pyridinophaneおよびその誘導体を新規に合成して その構造を検討した. とくにヘプタメチレン鎖の反転を温度可変NMRスペクトルにより 観察した. ヘプタメチレン鎖の真中のプロトンが 高磁場シフトを示すことを重水素置換体を合成して 確認した.
[概要] 1,3-Dioxolen-2-one (vinylene carbonate)の 一種たる表題の化合物の光反応を調べた. 生成物として, 出発物中の10-員環が渡環反応を起こした bicyclo[5.1.0]decane骨格が生じていることを明かにした.
1972 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] アジドぎ酸エチルとケトンの反応を検討した. 光分解の条件ではalpha-位への挿入反応がみられるのに 対して, 熱分解の条件ではbeta-位への挿入反応が 検出された.
[概要] [7](2,6)Pyridinophane の1-メチレン置換体を合成し立体配座解析を行った.
[概要] ベンゾヒドリル エステルの光分解は 脱カルボキシル反応を伴い, 1,1-diphenylalkane類, diphenylmethaneおよび1,1,2,2-tetraphenylethaneを 与えることを明らかにした. 生成物の割合に対する溶媒の効果を検討した.
[概要] 1,2-Dioxolen-2-oneの4,5-ジ置換体を各種合成し, それらの光反応を調べた. 主な反応は,二重結合の 光還元, 渡環水素引き抜きであった.
[概要] アジドぎ酸エチルとシクロヘキサノン エチレン アセタールの 反応を検討した. アセタール環のalpha-CHへの挿入反応 6-員環CHへの挿入反応に由来する生成物が 検出された.
[概要] ベンゼン環のメタ位をヘプタメチレン鎖を結んだ表題の化合物を 新規に合成した. この化合物は当時最短の鎖をもつメタシクロファンであった. ヘテロファンと同じくヘプタメチレン鎖の真中のプロトンが 高磁場シフトを示すことを確認した.
[概要] ピラゾール環の3,5位をヘプタメチレン鎖を結んだ表題の化合物を 初めて合成した.類縁のメタシクロファンおよびピリジノファンと同じく ヘプタメチレン鎖の真中のプロトンが 高磁場シフトを示した.
[概要] ベンゼン環のメタ位をヘキサメチレン鎖を結んだ表題の化合物を 新規に合成した. この化合物は当時最短の鎖をもつメタシクロファンであった.
1973 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 表題の化合物を合成し 二個のメチル基のNMRシグナルおよび メチレン基の高磁場シグナルを手がかりにして 立体配座解析を行った.
[概要] アセトニトリルあるいはベンゾニトリルを酸性条件下に N-アルコキシカルボニルアジリジンと反応させると, 1-alkoxylcarbonyl-2-imidazoline誘導体が生成することを見つけた.
1974 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 各種のヘテロファンを合成し, メチレン基の高磁場シグナルを手がかりにして 立体配座解析を論じた.
1975 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 各種のメタシクロファンを合成し, メチレン基の高磁場シグナルを手がかりにして 立体配座解析を論じた. とくにメチレン鎖の長さの違いによって, ベンゼン環の歪がどのように影響を受けているかを 検討した.
[概要] キノンの選択的還元法としてN,N-ジエチルヒドロキシルアミン によるものを速報した.
1979 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] N,N-ジエチルヒドロキシルアミンがキノンおよびキノンモノスルフォンイミド の還元に有効であることを見つけた. 分子内に他の置換基をもつキノン誘導体の還元に応用して, この還元法の選択性を検討した. この方法を色素現像薬の合成に応用した.
1981 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 4-Alkoxy-o-quinone monosulfonimidesをアルコール中で アルカリと反応させると p-quinone monoacetalsが得られる. この反応はインスタントカラー写真用の 色素放出剤の副反応のモデルとなる.
1982 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] ベンズオキサゾールの新しい合成法として o-アセチルフェノールのオキシムに ホスホリルクロリド/N,N-ジメチルアセトアミドを反応させて ベックマン転位を起こさせる方法をみつけた. この化合物は色素放出剤の合成中間体として重要である.
[概要] 色素放出剤との中間体として重要な アレーンスルフォニルクロリドの合成法を検討し, ホスホリルクロリド/スルホランの条件が優れていることを 明らかにした.
[概要] アゾ色素のスルホニルクロリドは 色素放出剤との中間体として重要である. この合成法として ホスホリルクロリド/N,N-ジメチルアセトアミドを反応させる方法を 見つけた.
1983 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] きわめて単離された例の少ない o-benzoquinone monosulfonimidesをいくつか合成し, インスタントカラー写真における色素放出のモデルとして その反応性を調べた. 加水分解反応の副反応を明らかにすることによって 色素放出剤の開発の指針を得た.
[概要] インスタントカラー写真に用いられるアゾ色素 の堅牢性に及ぼす構造要因を検討し, 退色の原因がアゾ色素とビニル化合物との マイケル付加であることを明らかにした.
1986 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 有機反応の コンピューター指向の 表現法として 虚遷移構造を提案した.これは par-bond,in-bond,out-bondをもつ拡張された構造である. 出発系への投影,生成系への投影, 反応緒,開環橋,閉環橋,転位橋等の新規概念について 述べた.
[概要] 反応を反応緒の数と反応中心グラフで分類した. その例として偶数員環をもつ一本緒反応を論じた. また反応中心グラフをさらに抽象化して 反応グラフという概念を提案した. Polyaの定理をもちいて 反応グラフの組合せ論的数え上げを行った.
[概要] 奇数員環の反応グラフ をもつ一本緒反応の例を集め虚遷移構造による取扱の 有用性を明らかにした. Polyaの定理を用いて 奇数員環の反応グラフの組合せ論的数え上げを行った.
[概要] 虚遷移構造の部分構造として 三節部分グラフ および 四節部分グラフ を取り出した.これらが, 置換反応,C-C結合生成,付加反応,脱離反応,酸化反応,還元反応, 等の記述に有用なことを示した.
[概要] 反応経路(多段階反応)を取り扱うために 反応緒の再結合の様式を明らかにした. 複素結合数(complex bond number)でコード化することにより, 多段階反応をコンピューターで取り扱うことを可能にした.
1987 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] スピロ型の反応グラフをもつ二本緒反応を論じた. Polyaの定理を用いて この種の反応グラフの組合せ論的数え上げを行った.
[概要] 縮合型の反応グラフをもつ二本緒反応を論じた. Polyaの定理を用いて この種の反応グラフの組合せ論的数え上げを行った.
[概要] ニトロ基,スルホン基等に現れる形式電荷を 統一的に表現するため,電荷空間という新規概念を提案した. また立体選択的な反応の表現のために 結合表における位置表示を二次元から三次元とした.
[概要] 虚遷移構造に現れる環構造(虚環)のうち転位橋が 転位反応の記述子として有用なことを, 多くの例によって立証した.
[概要] 従来の有機反応の表現法が 『構造--反応型式』パラダイムに捉えられているため, 反応部位の特定に困難を伴うことを明らかにした. 虚遷移構造はこのパラダイム から脱却する方法として有力であることを 述べた.
1988 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 虚遷移構造に現れる環構造(虚環)のうち 反応の記述に必要最小限の環構造を取り出すための アルゴリズム(ESER)を述べた.
[概要] 三節部分グラフや四節部分グラフに含まれる原子に 階層を考えた(たとえば 塩素$\subset$ハロゲン$\subset$電子吸引性原子). このことにより 塩素化$\subset$ハロゲン化$\subset$酸化 のような有機反応の階層的分類が可能になった.
[概要] 通常の構造式の環構造は 虚遷移構造の虚環の部分集合である.したがって, 反応の記述に必要最小限の環構造を取り出すための アルゴリズム(ESER)はそのまま 構造式中の環検出の適用できる.
[概要] 化学情報学に資するため,虚遷移構造の正準コードを提案した. これは有機反応に一義的なコードを与えるものであり, 重複登録を防止する方法として有効である.
[概要] 虚遷移構造より抽出される反応中心グラフの正準コードを提案した. これは有機反応型式に一義的なコードを与えるものであり, 重複登録を防止する方法として有効である.
[概要] 最小原子価を考慮したうえで 反応中心グラフを数え上げるための一般的な方法を提案し, 実際に各種の反応中心グラフを数え上げた. これは親反応グラフの各頂点を等値類により軌道に分け 各軌道に異なった原子の集合を置換させるものである. この方法により反応型式を網羅的に列挙する ことが可能となった.
1989 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 虚遷移構造とその各種部分構造 (虚環,n節部分グラフ,反応中心グラフ等) が有機反応の分類のタクソンとして有効なことを述べた.
[概要] 反応中心グラフを数え上げるための一般的な方法 (Bull. Chem. Soc. Jpn., 61, 4189--5206 (1988).) を厳密に定式化した.とくに 反応中心グラフの異性体および 反応中心グラフ対なる概念を提案し 実際に6-員環の反応中心グラフを数え上げた.
[概要] 反応中心グラフを数え上げるための一般的な方法 (Bull. Chem. Soc. Jpn., 61, 4189--5206 (1988)) を5-員環の反応中心グラフの数え上げに応用した. この際型式電荷を処理するため電荷空間を考えた.
[概要] 剰余類表現の減縮という概念を提案し, これから単位減縮循環指標(unit subduced cycle index: USCI)および 減縮循環指標(subduced cycle index: SCI)を導いた. これは, 最小原子価を考慮した上で 分子式および対称性の観点から分子等を数え上げること を可能にするものである.
[概要] 単位減縮循環指標(USCI)および 減縮循環指標(SCI) (Theor. Chim. Acta,76, 247--268 (1989))を利用して 高い対称性をもつ炭化水素の数え上げを行った.
1990 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 有機反応のグラフ的表現としての虚遷移構造を 通常の反応式と比較して説明した. またこの方法による反応の分類について述べた.
[概要] 単位減縮循環指標(USCI)および 減縮循環指標(SCI) (Theor. Chim. Acta,76, 247--268 (1989))による 数え上げとPolyaの定理との関係を述べた.
[概要] 剰余類表現のキラリティ適合性という概念を提案し, これからキラリティ適合性を付与した単位減縮循環指標 (unit subduced cycle index with chirality fittingness: USCI-CF)および 減縮循環指標(subduced cycle index with chirality fittingness: SCI-CF)を 導いた.これらの指標はキラルおよびアキラルな配位子をもつ 分子の数え上げに有効である.
[概要] キラリティ適合性を付与した単位減縮循環指標 (USCI-CF)および 減縮循環指標(SCI-CF) (J. Math. Chem.,5, 121--156 (1990)) を利用して,Td点群およびその部分群をもつ 化合物を数え上げた.
[概要] USCI法を用いてアダマンタン(C10H16)の 異性体の数え上げを行った. これに必要なTd群の示数表,USCI表などを 取り揃えた.
[概要] 化合物の各原子の軌道に 剰余類表現が対応することを用いて, 分子の対称性を記述する新しい方法を提案した. この方法は点群よりもさらに詳しい分類法となる.
[概要] USCI法を 用いて可動部分をもつ化合物の数え上げを行う一般的 方法を提案した.その骨子は,可動部分を一まとめにして, 一つのオブジェクトとみなすことにある.これは, 有機化学における原子団(基)をあらわすための数学的な概念となる.
[概要] USCI法を用いてD3h の各種骨格より導かれる 誘導体の数え上げを行った. これに必要なD3h群の示数表,USCI表などを 取り揃えた.
[概要] USCI法を用いて可動部分をもつ化合物の数え上げを行う一般的 方法(Theor. Chim. Acta, 77, 307--321 (1990)) を利用して各種の数え上げを行った.
[概要]
USCI法を用いてIh の各種骨格より導かれる
誘導体の数え上げを行った.
これに必要なIh群の示数表,USCI表などを
取り揃えのち,ドデカヘドロン誘導体を
例として,頂点への置換体,結合(辺)への置換体などの数え上げを
検討した.
[訂正]
[概要] USCI法と重ね合わせ法を組み合わせて新しい数え上げ定理(部分重ね合わせ 定理)を証明した. この方法を用いてD2d の骨格より導かれる誘導体の数え上げを行った.
[概要] 剰余類表現の示数表(mark table)を用いて 量子化学における対称性適合軌道関数を求める方法を 述べた.従来の指標表(character table)を用いる方法を 補う方法となることを示した.
[概要] 分子に含まれる等価な原子は軌道を構成し, この軌道は剰余類表現に一対一に対応する. 剰余類表現で特徴づけられた軌道を キラリティ適合性により, homospheric, enantiosphericおよび hemisphericに分類した. プロキラリティがenantiosphericな軌道と関係する ことをあきらかにした.
[概要] キラリティ適合性なる概念から, 立体化学で従来用いられて来た トピシティおよびステレオジェネシティ なる術語を厳密に定義した.
1991 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 単結合のまわりで回転可能なリガンド(あるいは置換基)をもつ 化合物の対称性を取り扱うために, プロ配位子およびプロ分子という概念を提案した. これらの概念によって いわゆる擬分子不斉など有機立体化学で用いられて来た 術語の厳密な定義が可能となった. またプロ分子を分子に導く際の対称性の 変化について論じた.
[概要] USCI法によって反応型式を数え上げた. 「反応の分類」と「反応の数え上げ」が互いに逆方向の 反応探索方法であることを指摘した.
[概要] 剰余類表現の減縮によって分子内の各原子の非等価性を論じた. これをNMRスペクトルにおけるアニソクロニー(化学シフト非等価性)に 関係付けた.
[概要] 母体となる骨格から特定の対称性をもつ化合物を設計する方法を 組織的に論じた. このうち点群の剰余類表現の減縮と関係付けられる 方法を減縮誘導, 剰余類表現の拡張と関係付けられる 方法を拡張誘導と名付けた.
[概要] G(/Gi)-軌道の非対称化の過程を, ``H-chirogenic site''という新概念によって議論した. このサイトをもつ化合物をキラルな環境下に おくと,キラルH-分子を生ずることを明らかにした.
[概要] Ih群の示数表およびその逆行列を求めたのち, Ih対称のサッカラン骨格から導かれる異性体を, 組み合わせ論的数え上げ,USCI法の有用性を確かめた.
1992 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] $B>D\infty h-骨格をもつプロ分子をUSCI法によって論じた. この種の無限群を取り扱うために,USCI法を因子群に基づくように 拡張した.この拡張により, インフラ軌道(infraorbit)と局所軌道という概念を導き, プロキラリティをenantiosphericityに関係づけた.
[概要] 基本的重ね合わせ(elementary superposition)という概念を提案し, キラリティを考慮した組み合わせ論的数え上げを定式化した. この方法は,USCI法の有力な一変法となる.
1993 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要]
Oh群の示数表およびその逆行列を求めたのち,
Oh骨格をもつプロ分子の組み合わせ論的数え上げを
USCI法に基づいておこなった.SCR (set-of-coset-representation)命名
によって,八面体錯体の立体化学を論じた.
[訂正]
[概要] USCI法は4種の組み合わせ論的数え上げの方法を与える. すなわち, SCI (subduced cycle indices)に基づく母関数法, PCI (partial cycle indices)に基づく母関数法, 基本重ねあわせに基づく方法,および部分重ねあわせに基づく方法である. これらを用いて,ダイグラフの数え上げを行った.
1994 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 減縮した示数表を基本概念として提案し,USCIを求める別法を示した. 剰余類の減縮と両側剰余類(double cosets)の関係を論ずる ことにより,USCIの性質を明らかにした.
[概要] アンモニアなどの反転しうる分子の数え上げを行うため, 擬点群(pseudo-point groups)を提案した. この方法によれば,アンモニア分子は, 擬点群$\widehatD3hに属する.これは, 通常の点群$D3hと同型である. さらに,クロナリティーなる新概念により, 反転分子の分類を試みた.
[概要] 擬点群の方法により,椅子型シクロヘキサン誘導体の 数え上げを行った.反転を考慮したシクロヘキサンは, 擬点群\widehatD6hに属する. これは,通常の点群D6hと同型である. さらに,クロナリティーなる新概念により, 反転シクロヘキサンの分類を試みた.
[概要] \LaTeX{}で構造式を含む文書を作成するために, 構造式描画マクロ集XyMTeX (キュムテック)を作成した. 各マクロは,SUBSLIST引数を指定しなければ,母核構造を描くようにし, 引数を指定すれば,結合を介して置換基を描くようにした. 環内二重結合は,BONDLISTとしてオプション引数としてあたえ, ヘテロ環の環内原子は,ATOMLISTとしてオプション引数としてあたえる 仕様とした.
1995 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] \LaTeX{}で構造式を含む文書を作成するための 構造式描画マクロXyMTeX (キュムテック)について, 使用法を述べた.ベンゼン誘導体を描くには, ¥benzene\{1==Me\}などと指定すればようように なっている.
[概要] 剰余類表現の主表現(dominant representations)を提案した. さらに,群の指標表(character table)と示数表(mark table)を 統合的に論ずるために,markaracter tableという概念を提案した.
[概要] 剰余類表現の主表現(dominant representations)および markaracter tableを組み合わせ論的数え上げに応用した. 本方法は,USCI法の簡略法として意味をもっている. Polyaの定理は, Burnsideの補題に基礎をおいているのに対し, 本法はmarkaracter tableを基礎においており, 両者の関係を論ずることは,興味ある結果をもたらす.
1996 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 擬点群(pseudo-point group)の概念を,虚遷移構造(imaginary transition structures)に適用し,反応形式の分類と数え上げを行った.ここでも, クロナリティの概念が有効なことを明らかにした.
[概要] sphericityの概念を,結合を要素とする軌道に適用した. フラーレン(C60)の二重結合への付加反応を例として, 結合区別キラル反応の定式化を行った.
1997 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 化合物データベースの検索法として, 木構造に基づく方法 を検討した.これまでの大型コンピューター上で 稼動していたデータベースをワークステーション上で 稼動するように移植し,しかもネットワーク端末から 検索できるようにした.木構造に基づく方法の採用に よって,検索効率が向上した.
1998 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 組み合わせ論的数え上げの新方法を提案した. Q共役表現の減縮により,特性減縮表(characteristic subduction table)および特性単項表(characteristic monomial table)を えた.後者より,循環指標(cycle index)を導き, 組み合わせ論的数え上げに利用できることを示した.
[概要] 巡回群の単純指標表(character tabale)から, Q-共役指標表(Q-conjugacy character table)をうる 方法を述べた.これから,巡回群の 特性単項表(characteristic monomial table)を導いた.
[概要] 著者が提案した擬点群の方法 (Bull. Chem. Soc. Jpn., 67, 2935--2948 (1994))により, tetrahydropyran および 1,3-dioxane 誘導体の数え上げを行った. 反転を考慮したtetrahydropyran および 1,3-dioxaneは, 擬点群\widehatC2vに属する. これは,通常の点群C2vと同型である. さらに,クロナリティーなる新概念により, これらの反転する誘導体の分類を試みた.
[概要] 著者が提案した擬点群の方法 (Bull. Chem. Soc. Jpn., 67, 2935--2948 (1994))により, 1,4-dioxane および 1,4-oxathiane誘導体の数え上げを行った. 反転を考慮した1,4-dioxane および 1,4-oxathianeは, 擬点群\widehatD2hに属する. これは,通常の点群D2hと同型である. さらに,クロナリティーなる新概念により, これらの反転する誘導体の分類を試みた.
[概要] 有限群が,熟成群(matured group)と非熟成群(unmatured group)に分類できる ことを示し,その判定の条件を与えた. これから,特性単項表(characteristic monomial table)を 経由して,循環指標(cycle index)をえて,組み合わせ論的数え上げに利用した.
[概要] 巡回群についてえた結果 (Bull. Chem. Soc. Jpn., 71, 1587--1596 (1998)) を,有限群に拡張するために,固有自己同型(inherent automorphism)なる概念を 提案した.これにより,有限群の単純指標表(character table)から, Q-共役指標表(Q-conjugacy character table)をうる 方法に理論的根拠を与えた.一般の有限群についても, 特性単項表(characteristic monomial table)を求め, 組み合わせ論的数え上げに利用した.
[概要] 著者が提案した擬点群の方法 (Bull. Chem. Soc. Jpn., 67, 2935--2948 (1994))により, spiro[5.5]undecane derivaitves誘導体の数え上げを行った. この場合は,二重に反転を考慮する必要があり, 擬点群\widetilde\widehatD2dにより, 対称性を検討した.
[概要] S. Fujita, Theor. Chem. Acc, 99, 224--230 (1998) で提案した組み合わせ論的数え上げの新方法は, Q共役表現の減縮を間接的に行って得たものであった. これを,直接に行うことにより,さらに簡便な方法を見出した.
1999 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 著者が開発した特性単項式を用いる数え上げ法を用いて, キラルおよびアキラルな異性体の数え上げを行った.
[概要] ベンゼンの誘導体をUSCI法で数え上げた. この際,アキラルな置換基のみならずキラルな置換基も 考慮した.
[概要] 特性単項式を用いる数え上げ法において, 特性単項式の指数が必ず整数(正負)になることを証明した. この証明には,巡回群のQ-共役指標と示指標(markaracter)との間に 整数論的な関係が成立することを用いた.
[概要] ピペリジンの環反転 (F) および窒素原子上の反転 (N-inversion: I) をコンホーマー四ツ組を モデルとして論じた. この際,拡張擬点群\hatC{2\tilde{I}v} を定義し, FI-energeticityなる概念を提案した.さらに, USCI法(unit-subduced-cycle-index approach)により, 可動なピペリジン誘導体の数え上げを行い, FI-isoenergetic (Types I, I'およびII) および FI-anisoenergetic (Types III およびIV)に分類した.
[概要] 筆者が開発したXyMTeX (キュムテック)の命令は,構造式の線形表現とみなす ことができる.これを拡張して,有機化合物の構造式を表示するためのXyM記法 を提案した.有機反応の図式を記述する方法についても述べた.インターネット 上で構造式の伝達に使えることを明らかにした.
[概要] XyMTeX (キュムテック)の命令は,線形表現とみなすことができる. 前報でXyM記法を提案したが,これをさらにマークアップ言語の 仕様とし,XyMマークアップ言語(XyMML)を提案した.今後, インターネットがXMLを基準とする場合にも対処できることを述べた.
[概要] 単結合のまわりで回転可能なリガンド(あるいは置換基)をもつ 化合物の数え上げを行う簡便な方法を提案した. この方法は,リガンド部分の数え上げに特性単項式を 用いるものであり,diphenylmethanes, 2,2-diphenylpropanes および 2,2-dimethylpropanesの数え上げに利用した.
[概要] 単位減縮循環指標法および 特性単項式法をフェロセン誘導体の 数え上げに利用した.
2000 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 回転しうるリガンドをもつ異性体の数え上げの新しい方法を 提案した.この方法は,拡張されたPCI (partial cycle index)に基づくもので,リガンドの対称性を考慮に入れて数え上げを 行なうことができる.
[概要] 拡張されたPCI (partial cycle index)に基づく方法により, D\infty h対称をもつ骨格に 回転しうるリガンドを置換させた異性体の数え上げを行なった.
[概要] PCI (Partical cycle indices)は,各部分群ごとに 異性体の数え上げを行なうために筆者が提案したものである. これを一般化して,複数の部分群に属する異性体の数え上げる ことを可能にした.
[概要] プロキラリティー,ステレオジェネシティーなど立体化学の 分野で重要な概念を,スフェリシティーから組織的に 識別することを試み,そのためのルール(A,B,およびC)を 提案した.
[概要] 立体化学的な同値関係を調べるために, 不斉置換基準(chiral replacement criterion)を提案した. この基準は,ホロトピック関係やヘミトピック関係を定義する のに有効である.不斉置換基準は,著者がすでに提案している 所属基準(membership criterion)と相補的に用いることができる.
[概要] 「同一大減縮」(size-invariant subduction)という概念を提案し, プロキラル分子の設計に適用した. 偶数員のホモスヘリック軌道は,対称性を下げる ことによって,同一大のエナンチオスヘリック軌道に 変えることができることを証明した. この概念をメタン,アレン,アダマンタン,ビフェニル 誘導体に応用した.この結果,プロキラル分子は, 本来的メゾ化合物と外因的なメゾ化合物に分類できる ことを示した.
[概要] キラリティ適合(chirality fittingness)を考慮した 特性単項式に基づいて,新しい数え上げ法を提案した.このこの方法は, キラルおよびアキラルな置換基をもつ異性体の 数え上げに有効なことを示した.
[概要] XyM記法およびXyMML (XyM マークアップ言語)の 実装として,XyMTeX (バージョン2.00)を開発した. これにより,ユーザーがレイアウト情報を記述することなく, 構造式を描けるようになった.
[概要] アキラルな骨格にキラルな置換基を置くときに,生じた 分子の対称性がどのようになるかについて,三つの規則に 整理して論じた.
2001 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] アキラルな骨格の等価な位置を軌道とみなし, 剰余類表現を帰属させる.この軌道の一つの位置に 置換基を置くことによって生ずるモノ置換体の 対称性を剰余類表現の減縮により一般的に議論した.
[概要] 分子内の立体化学を記述するために提案したSphericityの 概念(J. Am. Chem. Soc.,, 112, 3390 (1990))を 分子間の立体異性を記述できるように拡張した.この要諦は, 分子の大域的対称性を,立体異性の対称性の局所対称性と みなすことにある.Cahn-Ingold-PrelogのRS命名法との 関係も論じた.
[概要] USCI (unit subduced cycle index)法の四つの方法のなかから, SCI (subduced cycle index)法およびPCI (partial cycle index)法を 取り上げ,Td点群を例にとって,数え上げの詳細を 説明した. これとCM (characteristic monomial)法を比較し, 置換群と点群の橋渡しをおこなった.
[概要] 三置換および四置換のシクロへキサンの対称性とエネルギー性を 擬点群法を用いて論じた.
[概要] epicパッケージの丸め誤差を解析し,その回避方法を 見出した.この方法を使うことにより,構造式の縮小を 実装した.
2002 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 化学構造式を画面表示するためのXyMJavaシステムを 開発した.これは,XyM記法を入力コードとして 用いる方法である.XyM記法により,構造式の出力形態として, 印刷物もブラウザー表示も選ぶことができるようになった.
[概要] 擬点群D^6hの概念を シクロプロバン誘導体に適用し, エネルギーと対称の観点から等価性を 論じた.
[概要] 群のマークを求める二つの方法を論じた. 一つは,ホモマー集合を用いる方法, もう一つは,等価リガンド集合を用いる方法である. これらの基礎は, ホモマー集合,等価リガンド集合, および剰余類が対応していることにある.
[概要] アレン誘導体のキラリティとステレオジェニシティについて, 点群と置換群の両方から検討した.これまでのenantiomericおよび diastereomericという術語が二つの異性体の関係をあらわすのに 対して,化合物が異性体を与えうるかの性質をあらわす術語として, enantiostereogenicおよびdiastereogenicを提案した.
[概要] XyMML (XyM マークアップ言語)に基づいて,化学構造式の 画面表示とウェブ伝達をおこなうツールを開発した. XML (Extensible Markup Language)の 仕様に従ったXyMML文書をHTML文書に変換するために, XSLT (Extensible Stylesheet Language Transformations) の技術を応用した. このツールを開発した結果,XyMML文書を直接にXML対応のブラウザーで読み込むことにより, 化学構造式が画面表示できるようになった.ブラウザーによる画面表示においては, (1) XyMMLによる構造式データは, XyM記法に変換され,HTML文書に埋め込まれ, (2) このHTML文書に埋め込まれたXyM記法を, XyMJavaシステムを読み込んだWWWブラウザーで画面表示することになる. このツールの開発により,XyMMLがWWW伝達,電子出版, 従来型の出版などを結合する基盤技術となることが示された.
[概要] 平面状錯体にアキラルまたはキラル置換基が置換させて 生成する置換体を網羅的に数えあげた.それらの対称性を, 点群D4hおよび4次対称群S4の 部分群として論じた.ステレオジェニックおよびアステレオジェニック な部分群の概念を提案し,ジアステレオメリックな関係を 詳しく論じた.
[概要] 立体化学を再構築するために,軌道(同値類)の重要性を 指摘した.スフェア性の概念を,最小限の点群の知識を もとに,新しい方式で定式化した.これによって,プロ キラリティーの概念も再検討した.軌道の概念を,いろいろな 対象(たとえば,原子,リガンド,面など)に適用し,それらの スフェア性を論じた.とくに,四面体分子内の原子, カルボニル化合物・エチレン・アレンの分子面を精査した. 従来のトピック性をすべてスフェア性で置き換えうる ことをあきらかにした.
[概要] 立体化学を再構築するために,エチレン誘導体における エナンチオマー関係とジアステレオマー関係を詳しく 論じた.エナンチオマー関係は点群を基礎とし, ジアステレオマー関係は置換群に基礎を置くことに よって,説明できることをあきらかにした. ステレオジェニックな群とアステレオジェニックな群を 定義し,ジアステレオマーの対称性を論じた.
2003 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 筆者が開発したUSCI (unit-subduced-cycle-index)法を八面体錯体の対称性を 論ずるのに応用した.正八面体の辺を置換することによって生ずる 異性体を数え上げ,辺の数と対称性を論じた.
[概要] 配位数4の分子(アレン誘導体,エチレン誘導体,メタン誘導体, 平面錯体)の対称性を,点群と置換群を統合する立場から 検討した.エナンチオメリックな関係と ジアステレオメリックな関係を厳密に区別して論じた.
[概要] 一次元および二次元の指標をもとめるグラフ的な方法 を論じた.ホモマー集合と簡約ホモマー集合との 関係をあきらかにし,各種の点群について グラフ的な方法の有効性を示した.
2004 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] ステレオジェニシティとキラリティの緊密な関係は, 有機分子や無機錯体の立体化学に深刻な混乱を もたらしている.ホランティマーおよびステレオイソグラムという 概念を提案してこの混乱に終止符を打つ.ステレオイソグラムで 定式化できるステレオジェニシティをRS-ステレオジェニシティ とよぶ.四面体分子のステレオイソグラムを5種類(タイプI--V)に 分類でき,このうち,I, III, VがRS-ステレオジェニックであること を示した.これらは,RS-命名法で区別することができる. 一方,タイプIIおよびIVは,RS-アステレオジェニックであり, RS-命名法では区別できない.一方,平面四配位の錯体の ステレオイソグラムは,IIまたはIVであり,RS-命名法では 区別できない.
[概要] ステレオジェニシティとキラリティの相違を議論するために, RS-ステレオイソマー群を提案した.この群から 出発して,ホランティマー,ステレオイソグラム, RS-ステレオジェニシティを定式化した.上記J. Org. Chem.の 群論による定式化を述べたもの.
[概要] 藤田の開発した剰余類代数理論 (Shinsaku Fujita, Symmetry and Combinatorial Enumeration in Chemistry, Springer-Verlag, Berlin Heidelbelg (1991)) を着色グラフを用いて研究し, 剰余類表現,マーク,指標,および群減縮をグラフ的にモデル化した.
[概要] トピシティ関連の二種の術語の併用の限界を論じたのち,そのかわりにスフェリシティ関連の 術語を使えば,簡潔で首尾一貫した議論ができることを示した. スフェリシティ指標を導き,与えられた対称性をもつ誘導体の存在を 検証するのに使えることを論じた.
[概要] 剰余類表現の減縮,二重剰余類,および単位減縮循環指標ののグラフ的モデルとして, 二重着色グラフの概念を提案した.これらの概念は,すでに藤田により 剰余類代数に基づいて数学的に定式化されていたものであるが(Shinsaku Fujita, Symmetry and Combinatorial Enumeration in Chemistry, Springer-Verlag, Berlin Heidelbelg (1991)),新しいグラフ的モデルにより 直感的に理解できるようになった.
[概要] アレン誘導体に関する キラリティ,RS-ステレオジェニシティ,ステレオジェニシティ, 同一骨格異性体を理解するために, 群論に関する術語 (点群, RS置換群, RS立体異性群, 立体異性群,同一骨格群) および 立体異性に関する術語 (エナンチオマー,ホランチマー, RSジアステレオマー, ジアステレオマー,および同一骨格異性体)を あらたに作成した. アレン誘導体の場合は, RS立体異性群と立体異性群とが一致する. このため,従来使われてきた ジアステレオマーは, RSジアステレオマーと一致する. RSジアステレオマーの間の 異性現象は,同一骨格異性として理解される. アレン誘導体のおける擬不斉についても論じた.
[概要] エチレン誘導体に関する キラリティ,RS-ステレオジェニシティ,ステレオジェニシティ, 同一骨格異性体を理解するために, 点群,RS立体異性群,立体異性群,同一骨格群からなる階層を論じた. RS立体異性群は,立体異性群と一致しないことをあきらかにし, それによって,ジアステレオマー (E/Z異性体)は, RSジアステレオマーと異なることを示した. RSジアステレオマー, mジアステレオマー,および同一骨格異性体の 関係をあきらかにするために, 「拡張ステレオイソグラム」 および「拡張ステレオイソグラム集合」の概念を提案した. その結果, mジアステレオマーなる術語をつくり, ジアステレオマーと異なることを示した. エチレン誘導体は,I型からV型のステレオイソグラム を組み合わせて, II-II/II-II/II-II, IV-IV/IV-IV/IV-IVなどとあらわせることを示した. エチレンの立体異性は, m-ジアステレオマーとして取り扱う必要があり, E/Z命名法で記述すべきことを述べた.
[概要] ホランチマーとステレオイソグラムの概念を応用して, "擬不斉"なる術語に関する総括的な議論をおこなった. その際,RSステレオジェニシティを 通常のステレオジェニシティよりも厳密な概念として用いた. これにより,ステレオイソグラムに含まれる 三つの関係を別々に定義した. すなわち,キラル/アキラルに関するエナンチオメリックな関係, RSステレオジェニシティ/RSアステレオジェニシティに 関するRSジアステレオメリックな関係, スクレナル/アスクレナルに関する ホランチメリックな関係である. これらの関係により,ステレオイソグラムは, I型からV型に分類できることを示した.そのうち, "擬不斉"は,V型であることを示した.
2005 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] ポリアの定理は,グラフの数え上げに関するもので, 化学構造の数え上げには使えないことをあきらかにした. とくにキラルな置換基をもつ化学構造では,正しい結果を 与えない. キラル・アキラルな置換基をもつ場合に正しい結果を うるために,巡回群の剰余類表現をしらべ, その中の置換をプロパーと非プロパーに分けるとよい ことをあきらかにした. これにより,置換に含まれるk-循環は, ホモスフェリック,エナンチオスフェリック, ヘミスフェリックの三種に分類できる. それぞれに,スフェリシティ指標として, ak, ck, および bkを割り当てる. これから,キラリティ適合性を加味した循環指標を 定義した.これは,Polyaの循環指標より, スフェリシティの分だけ情報量が多く, キラル・アキラルな置換基をもつ化合物の 数え上げに有効である.
[概要] 剛直でない異性体を数え上げるために, プロリガンド法を提案した. k-循環のスフェリシティに応じて,拡張スフェリシティ指標 を定義したのち,キラリティ適合性を加味した 循環指標を定義した. これにより,キラル・アキラルな置換基をもつ非剛直な立体異性体を 数え上げた.この結果をPolyaのコロナ法と比較して, コロナ法による数え上げがグラフに関するもので, 立体異性体を正しく数え上げることができないことをあきらかにした.
[概要] 正方平面体の錯体の立体化学を論ずるために, 群の階層を決定した.すなわち, 点群 (point groups) = RS立体異性体群 (RS-stereoisomeric groups) ⊂ 立体異性体群(stereoisomeric groups) = 同一骨格群 (isoskeletal groups) である. 立体化学における RS-命名法は,正方平面体錯体の命名には 使えない事実は,RS立体異性体群が点群に一致することに帰せられる. これを,RSアステレオジェニック ($RS$-astereogenic) と称する. 正方平面体の錯体に同一骨格異性体がないことは, 立体異性体群が同一骨格群に一致することに帰せられる. ステレオイソグラムを拡張して適用すると, II-II-II型, IV-IV-IV型などに分類できる.
[概要] ステレオイソグラムには,5種類しかないことを因子群を用いて厳密に証明した. これにより,キラリティとステレオジェニシティの関係を論理的に 議論できることをあきらかにした.
[概要] 四面体骨格を有する分子の対称性低下を論ずる新しい方法を述べた. 原子,結合,辺,面,結合角などの等値類を軌道として理解すること の重要性を強調した.各軌道は,スフェリシティ指標 (sphericity index)で あらわされる.この積を単位減縮循環指標(unit subduced cycle indices with chirality fittingness, USCI-CF)と称し,これにより対称性低下を議論 した.
[概要] 四面体骨格を有する分子の対称性低下を,「剰余類表現の減縮」によって論じた. 「剰余類表現の減縮」を,代数的でなく図形的に求める方法をのべることにより, 教育的にわかりやすい方法になることを述べた.
[概要] アレン誘導体のステレオジェニシティおよびキラリティを ホランティマーおよびステレオイソグラムの概念を 適用して論ずる.アレン誘導体のステレオイソグラムは, 5種類(タイプI--V)に分類できる. このうち,I, III, VがRS-ステレオジェニックであることを示した. これらは,RS-命名法で区別することができる. 一方,タイプIIおよびIVは,RS-アステレオジェニックであり, RS-命名法では区別できない. 四面体分子のステレオイソグラムと比較して, 総合的に論じた.
[概要] 構造式を含む化学文書の版下作成のためのXyMTeX2PSシステムを開発した. 従来の印刷のみならずインターネット配信を視野にいれたシステム とするため,PostScript対応としたものである.
[概要] XyM記法による構造式の情報を,結合表に変換するための ソフトウェアをJavaで作成した.これにより,XyM記法を 種々の市販化学ソフトウェアの入力手段として応用 する道を拓いた.
[概要] 藤田のプロリガンド法をエタン誘導体の数え上げに 応用した.とくに酒石酸の異性体の数え上げについて 詳しく検討し,プロリガンド法の有効性を確かめた. エタン誘導体の数え上げに関して, プロリガンド法によって求めた キラリティ適合循環指標(cycle index with chirality fittingness,CI-CFと省略)と 直接に置換群を適用してもとめたCI-CFが一致することを 明らかにした.この結果と,ポリアの定理によって もとめた循環指標の結果を比較して, ポリアの定理が数え上げているのは グラフであって立体異性体ではないことを あきらかにした.
[概要]
[概要] このシリーズは,藤田のUSCI (unit-subduced-cycle-index) 法 (S. Fujita, ``Symmetry and Combinatorial Enumeration in Chemistry'', Springer-Verlag, 1991)を図形的に解説すること を目的としている.第1部は,軌道orbitsの概念を 強調しつつ,分子内の立体化学を議論することにあてた. 各軌道は,三種類のスフェリシティ指標($a_{d}$, $c_{d}$, and $b_{d}$) によって制御されていることを図形的に説明し,各軌道にその積である USCI-CFs (unit subduced cycle indices with chirality fittingness) を 帰属させた. 正則体(regular body)をの図形的な対称性から 出発して,減縮表,USCI-CF表, USCI表, マーク表を求めた. これらは,すでに代数的にUSCI法で求められていたものである. 正則体の分節(segmentation)などの術語を 整備して,図形的な説明を厳密におこなえるようにした.
2006 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] このシリーズの第2部で導入したk-巡回の拡張スフェリシティ指標 (S. Fujita, Theor. Chem. Acc., Online: http:// www.springerlink. com/index/10.1007/s00214-004-0606-z) をさらに一般化して, 回転しうるリガンドをもつ立体異性体の数え上げに適用できるようにした. とくに,軌道の種類に応じて,異なるスフェリシティ指標を使えるように拡張 したことと,リガンドのキラリティだけでなく,リガンドに含まれる 下位のリガンドのキラリティも考慮したことが,主な拡張点である. これにより,「ポリアの定理やその他の先行する方法には,スフェリシティ概念 がないこと」を示し,それらの限界をあきらかにした.
[概要] 立体化学において,プロキラリティという術語の意味にはさまざまな解釈があり, 長い間混乱が続いていた.この混乱に最終的に終止符を打つことが本報告の目的である. まず,この混乱の原因を明らかにするため,the IUPAC recommendations 1996 (Pure Appl. Chem., 1996, 68, 2193)が 示すいくつかの定義を批判的に分析議論し,これらの定義が出発点の 一つにしている``enantiotopic'', ``diastereotopic'', および ``stereoheterotopic'' なる 術語の定義が曖昧であり,場合によって少しずつ意味が異なることをあきらかにした. 曖昧な定義のままでは,prochiralityとprostereogenicityとを区別できないが,従来おこなわれてた 言葉の積み重ねによる定義では,曖昧さが増幅してしまったというのが,上記の 分析の結論である.この混乱を鎮めるには, すでに,RS-stereogenicity 概念 (S. Fujita, J. Org. Chem., 2004, 69, 3158) を,従来の``stereogenicity''概念から分離したのと同様に, 新しくpro-RS-stereogenicity 概念を 従来の``prostereogenicity'' 概念から分離することが 不可欠であることをあきらかにした. この分離は,群論の立場からは, RS-立体異性体群を新規に考え, その図形的表現としてステレオイソグラム(stereoisograms)を 利用することにより可能になる. これにより,従来の ``enantiotopic'', ``diastereotopic'', および ``stereoheterotopic'' なる 術語を, homospheric, enantiospheric, および hemisphericなる 一群の術語と, RS-homotropic, RS-enantiotropic, および RS-hemitropicなる別の一群の術語に分離して考えることが可能になった. その意味がはっきりしなかったpro-R/pro-S記述子が, 実はpro-RS-stereogenicityに基づくことを明らかにした. この結果は,長く続いた混乱に終止符を打つことを意味する.
[概要] このシリーズは,藤田のUSCI (unit-subduced-cycle-index) 法 (S. Fujita, ``Symmetry and Combinatorial Enumeration in Chemistry'', Springer-Verlag, 1991)を図形的に解説すること を目的としている.第2部は,変形式集約体assemblyの概念を 強調しつつ,立体異性(分子間の立体化学)を議論することにあてた. G-対称の骨格が,|G| 個の等価な頂点をもつとき, 正則体という.これらの頂点は軌道をなし, G(/C1)なる正則表現 (剰余類表現の一種)で規定される.この正則体にGを 働かせると,|G|個の変形式(transformula)が生ずる. HをGの部分群とするとき, Hで固定される変形式(transformula)の集合を H-assembly (変形式集約体)と定義する. このようなH-assemblyは,共役群を同じとみなせば, |G|/|H|個存在する.これらの集合は, 軌道をなし,剰余類表現G(/H) で規定される.このことは,高次構造として マンダラ(mandala)を定義すると,さらに明確になる. マンダラにおける変形式集合の図形的な対称性から 出発して,減縮表,USCI-CF表, USCI表, マーク表を求めた.
[概要] このシリーズは, 藤田のUSCI (unit-subduced-cycle-index) 法 (S. Fujita, ``Symmetry and Combinatorial Enumeration in Chemistry'', Springer-Verlag, 1991)の 図形的入門を目差した報告である.本シリーズの第3報の本報では, 縮約マンダラという概念により, 分子内の立体化学(第1報)と 分子間の立体化学(第2報)とを統合している.立体異性体の強力な数え上げ法 として,SCI (subduced-cycle-index) 法およびPCI (partial-cycle-index) 法を 図形的に定式化しており,このことにより, これらの方法がよってたつ方法論が,図形的に明らかにされている. 二つの見方(行からの見方と列からの見方)をD2dのマーク表に 適用して,アレン骨格に基づく立体異性体の数え上げをおこなっている.
[概要] 立体異性体を数え上げる三つの方法とその拡張版をエタンおよびプロパン誘導体の 数え上げに応用した.これらの方法は, 軌道のスフェリシティを考慮する 藤田のUSCI法(unit-subduced-cycle-index approach)を 対称性による類別を考慮せずに済ますように修正 あるいは簡略化したものである. 一方,サイクルのスフェリシティという 概念に基づいたプロリガンド法とその拡張版を同じ数え上げの問題に 応用した.これらの二系統の方法を, P\'{o}lyaの定理(およびP\'{o}lyaのコロナ)に基づく結果と比較した. その結果, P\'{o}lyaの定理は,回転および鏡映操作に対応する 置換操作をすべて考慮した場合は, 化合物を数え上げているのではなく, グラフを数え上げていること をあきらかにした. さらに,回転操作に対応する置換のみを 考慮した場合は, P\'{o}lyaの定理は,化合物を キラルなものとして数え上げており, 対掌体の関係やアキラルな性質を うまく記述できていない. このことから,P\'{o}lyaの定理に欠如している ものは,スフェリシティ概念で あることを結論した.
2007 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 立体異性を記述するために, 「両側剰余類表現」と「両側剰余類のスフェリシティ」という 概念を提案した.両側剰余類を ホモスフェリック,エナンチオスフェリック, ヘミスフェリックの三つに分類した. これらのスフェリシティは,置換の様式を決定する. 両側剰余類のスフェリシティを サイクルのスフェリシティに 結びつけることにより,藤田のプロリガンド法の別証を あたえた.
[概要] 藤田のプロリガンド法は,もともと 巡回群の性質を利用して定式化されていた. (Fujita, S. (2005) Theor. Chem. Acc., 113 73--79, 80--86). これを,本シリーズの第2報(Fujita, S. (2006) MATCH Commun. Math. Comput. Chem., 55, 5--38)で定義した「マンダラ」の概念により,定式化し直した. G対称のマンダラに含まれるK対称の集積体(assembly)の 集合を,左剰余体表現G(/K)により記述する. その際,アキラル集積とキラル集積を群のアキラル・キラルにより議論した. K対称の集積体は,K対称の分子に対応することを利用して, 藤田のプロリガンド法の別証をあたえた.ポリアの定理と比較して, 藤田のプロリガンド法の長所を述べた.
[概要] 三次元植木(Planted three-dimensional (3D) trees)を 植木の三次元版として定義し, 本シリーズの第1報-第3報 (Fujita S (2005) Theor. Chem. Acc. 113:73--79, 113:80--86, Fujita S (2006) Theor. Chem. Acc. 115:37--53) で開発した藤田のプロリガンド法を適用して, 組み合わせ論的に数え上げた. まず,プロ分子・プロリガンド概念(Fujita S (1991) Tetrahedron, 47:31--46) から出発して,与えられた三次元骨格の置換位置に根とプロリガンドをおくことにより, 根付プロ分子(planted promolecule)を三次元物体として定義した. このように定義した根付プロ分子を三次元植木のモデルとして議論した. 与えられた根付プロ分子に含まれるプロリガンドは, 再帰的に根付プロ分子とみなされることを利用して, 根付プロ分子を数え上げる母関数を誘導した. これらの母関数を誘導するための キラリィティ適合性循環指標(cycle indices with chirality fittingness, CI-CFs)は,三種類のスフェリシティ指標(sphericity index, SI)より なる.すなわち, homospheric cyclesに対するad, enantiospheric cyclesに対する cd および hemispheric cyclesに対する bdである. とくに,cdを再帰的に評価するために, 倍数体(diploid)の概念を提案し, エナンチオスフェリック指標cdの入れ子の性質を明確に規定した. これらのSIを,変数a(x), c(x2), および b(x)で 置き換えることにより, 数え上げに必要な関数方程式を導いた. これにより,炭素数20までの根付プロ分子 (モノ置換アルカン)の個数を得た. この結果は,数学者Cayleyが約130年前に 提出した問題(Cayley A (1874) Philos. Mag. 47(4):444--446) に対して,数学・化学の両方の要請を満足する解決 を,系統的統合的な仕方で与えたものといえる.
[概要] 三次元樹木(Three-dimensional (3D) trees)を 樹木の三次元版として定義し, 本シリーズの第1報-第3報 (Fujita S (2005) Theor. Chem. Acc. 113:73--79, 113:80--86, Fujita S (2006) Theor. Chem. Acc. 115:37--53) で開発した藤田のプロリガンド法を適用して, 組み合わせ論的に数え上げた. 三次元樹木を,重心性・双重心性に分類し, キラリィティ適合性循環指標(cycle indices with chirality fittingness, CI-CFs)を求めた. これらは, 三種類のスフェリシティ指標(sphericity index, SI),すなわち, homospheric cyclesに対するad, enantiospheric cyclesに対する cd および hemispheric cyclesに対するbdよりなる.まず, 三次元植木(根付プロ分子)の数え上げをおこなったのち, その結果を利用して,炭素数20までの 三次元樹木(アルカン)の個数を得た. この結果は,数学者Cayleyが約130年前に 提出した問題(Cayley A (1874) Philos. Mag. 47(4):444--446) に対して,数学・化学の両方の要請を満足する解決 を,系統的統合的な仕方で与えたものといえる.
[概要] 藤田のプロリガンド法(Fujita S (2005) Theor. Chem. Acc. 113:73--79, 113:80--86, Fujita S (2006) Theor. Chem. Acc. 115:37--53)を 適用して,モノ置換アルカンを立体異性体として(構造異性体としてではなく) 数え上げた.コンピューターによる数え上げを実行するために, 三種類の再帰的アルゴリズムを考案し,Maple言語でプログラムした. パーソナルコンピューターで実行することにより, 炭素数100までのモノ置換アルカンの個数を得た. 結果を,グラフ(構造異性体)としての個数と比較した.
[概要] 藤田のプロリガンド法(Fujita S (2005) Theor. Chem. Acc. 113:73--79, 113:80--86, Fujita S (2006) Theor. Chem. Acc. 115:37--53)を 適用して,モノ置換アルカンを立体異性体として 数え上げた.その際,分枝に関して 類別して,第一級,第二級,第三級モノ置換アルカン の個数を求めた. Maple言語でプログラミングして, それぞれの個数を,炭素数100まで求めて,表にした. これらは,立体異性体とみなしたときの個数である.一方, 三種類のスフェリシティ指標(sphericity index, SI),すなわち, homospheric cyclesに対するad, enantiospheric cyclesに対する cd および hemispheric cyclesに対するbdの 区別を省略してr(x)で置き換えると, ポリアの定理による関数方程式をうる. この結果,構造異性体としての個数をうることができる. 藤田のプロリガンド法の結果とポリアの定理による結果とを比較して, 擬不斉の場合を例にとって論じた.
[概要] アルカンを三次元樹木(Three-dimensional (3D) trees)とみなして, 藤田のプロリガンド法(Fujita S (2005) Theor. Chem. Acc. 113:73--79, 113:80--86, Fujita S (2006) Theor. Chem. Acc. 115:37--53)を適用して,組み合わせ論的に数え上げた. アルカンは, 二重の観点から,単核三次元樹木とも複核三次元樹木ともみなすことができる. アルカンを単核三次元樹木とみなしたときの個数を Td対称の正四面体骨格をもとにもとめ, 別に複核三次元樹木とみなしたときの個数を Dinfty h対称の亜鈴骨格をもとにもとめ,両者を比較した. その差し引きにより,アルカンの実際の個数を求めることが できることを明らかにした.このとき,アキラルの個数と キラルの個数に異常性がでてくるが,この異常性を 均等三次元樹木・不均等三次元樹木(balanced and unbalanced 3D-trees) の二分法を考慮することにより補正する一方法を明らかにした. この方法を,Maple言語でプログラミングして,炭素数100まで求めて,表にした.
[概要] アルカンを 重心・双重心型の二分法により類別して,藤田のプロリガンド法 (Fujita S (2005) Theor. Chem. Acc. 113:73--79, 113:80--86, Fujita S (2006) Theor. Chem. Acc. 115:37--53)を適用して, 組み合わせ論的に数え上げた.一方,アルカンは, 均等・不均等型の二分法によっても類別できるので, 藤田のプロリガンド法を適用して数え上げた. 二つの二分法を組み合わせると,さらに詳細な分別ができる. このアルゴリズムをMaple言語でプログラミングして,炭素数100まで求めて,表にした. 藤田のプロリガンド法の結果とポリアの定理による結果とを比較して論じた.
[概要] 「マンダラ」概念の群論による定式化を,代数的,図形的に論じた. とくに図形的に論じたのは,S. Fujita "Symmetry and Combinatorial Enumeration in Chemistry", Springer-Verlag, Berlin-Heidelberg (1991)で展開した USCI法(Unit-Subduced-Cycle-Index Method)の普及を企図したものである. この定式化は,右剰余類表現と左剰余類表現を組み合わせて使うことを骨子と するもので,通常の構造を構成要素とする「マンダラ」という高次の構造を考えることに より,一貫した理論体系を構築できることをあきらかにしている.
[概要] アルカンを立体異性体(三次元樹木)として, 組み合わせ論的に 数え上げた.この際,アルカンを 重心・双重心型の二分法により類別したうえで, 藤田のPCI (partial-cycle-index)法 (S. Fujita, Chem. Inf. Comput. Sci, 40, 135-146 (2000)および S. Fujita, Bull. Chem. Soc. Jpn, 73, 329-339 (2000)) を応用することにより,対称性に関して類別した 数え上げをおこなった.重心型のアルカンは, Td対称の四面体の置換体とみなし, Tdの部分群のそれぞれに属する アルカンの個数をもとめた. 双重心型のアルカンは,亜鈴型骨格の置換体とみなして, 因子群D\infty h/D\inftyを 用いて,その部分群のそれぞれに属するアルカンの個数を求めた. Maple言語でプログラミングして計算した結果を, 炭素数100までの表の形で示した.
[概要] プロ分子は,与えられた骨格にプロリガンドを置換させて構成する. これらを,RS異性体とみなし,キラリティ(chirality), RSステレオジェニシティ(RS-stereogenicity), およびスクレラリティ(sclerality)の観点から分類すると, I型からV型の五種類〔すなわち Type I (chiral/RS-stereogenic/ascleral), Type II (chiral/RS-astereogenic/scleral), Type III (chiral/RS-stereogenic/scleral), Type IV (achiral/RS-astereogenic/ascleral), および Type V (achiral/RS-stereogenic/scleral)〕 以外にないことがわかる. I型からV型のそれぞれに 含まれる個数を,組み合わせ論的にもとめる一般法を開発し, アレン誘導体の数え上げに適用した.
2008 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 三次元樹木(3D-trees)を樹木(グラフ)の三次元への拡張として定義して, 藤田のプロリガンド法(S. Fujita, Theor. Chem. Acc., 113 (2005) 73--79 & 80--86; 115 (2006) 37--53). により数え上げた.そのような三次元樹木を 単核のプロ分子とみなすと同時に, 双核のプロ分子ともみなしてそれぞれを数え上げた. 単核のプロ分子とみなして数え上げた場合には, 双核のプロ分子とみなせるものが夾雑物として含まれてしまう. この夾雑物を除外するために,両者の結果を差し引きする. サイクル指標 (Cycle indices with chirality fittingness (CI-CFs))を, 三種類のスフェリシティー指標 (sphericity indices (SIs)), すなわち ホモスフェリックなサイクルに対するad, エナンチオスフェリックなサイクルに対するcd, および逸見スフェリックなサイクルに対するbdを用いて, 導出する. 単核プロ分子のCI-CFと 双核プロ分子のCI-CFとを, 均衡樹木(balanced 3D-trees)と不均衡樹木(unbalanced 3D-trees)との 二分法を用いて比較した. その結果,夾雑物を効果的に除去することができ, 正味の樹木の個数を求めることができた. この方法の正しさを,三つの仕方で証明した. いずれも単核プロ分子と双核プロ分子の対応を 検討することによっている. この方法をアルカンの数え上げに用いるには,SIを a(xd), c(xd), and b(xd)で置き換える. 各種の条件でアルカンの個数を数え上げて, 表の形でまとめた. これにより, 1870年代にはじめられた van't Hoff (J. H. van't Hoff, Archives Neerlandaises des Sciences Exactes et Naturelles, 9 (1874) 445--454) と LeBel (J. A. LeBel, Bull. Soc. Chim. Fr. (2), 22 (1874) 337--347) による立体化学的な 問題(立体異性体の個数) および Cayley (A. Cayley, Philos. Mag., 47 (1874) 444--446)による 数え上げの問題(樹木の個数)が, 化学および数学の要求に合致する共通の枠組で解決された.
[概要] 立体異性体(三次元物体)としてのモノ置換アルカンを,根付のプロ分子とみなして, 組み合わせ論的に数え上げた.その際に,炭素数(k)のみならず, 不斉炭素の個数(l)および擬不斉炭素の個数(m)を考慮した. このため,RS立体異性中心,不斉炭素,擬不斉炭素を厳密に定義した. モノ置換アルカンの個数を, 項xkylzmの係数となるよう な母関数を求めるため,藤田のプロリガンド法 (S. Fujita, Theor. Chem. Acc., 2005, 113, 73; 2005, 113, 80; S. Fujita, Theor. Chem. Acc., 2006, 115, 37)を適用した. アキラルな立体異性体,キラルな立体異性体, および構造異性体(グラフ)に分類して求めた個数を, それぞれ炭素数30までを表の形で示した.
[概要] アルカン(次数4の三次元樹木)中の不斉中心と擬不斉中心を 新しく定義した基準に基づいて明確に区別する方法を確立した. まず,S. Fujita, J. Org. Chem., 69, 3158--3165 (2004), S. Fujita, MATCH Commun. Math. Comput. Chem., 54, 39--52 (2005), and S. Fujita, MATCH Commun. Math. Comput. Chem., 58, 611--634 (2007) 従い, RS-異性体の三つの属性(キラリティ,RS-ステレオジェニシティ,および スクレラリティ)によって, 5種類(タイプI〜タイプIV)のRS-立体異性体に分類する. RS-ステレオジェニックなプロ分子(タイプI, III, and V)の うち,タイプIとIIIに属するプロ分子の中心炭素を,不斉中心 であると定義する.残りのタイプVに 属するプロ分子の中心炭素を,擬不斉中心と定義する. 炭素数k, 不斉炭素数(l), 擬不斉炭素数m)のアルキル基の個数を 項xkylzmの係数とした,母関数を 求め,これを重心型,双重心型のアルカンの個数の計算に用いた.この 計算には,藤田のプロリガンド法を適用し,タイプI〜Vのそえぞれに属する アルカンの個数を求めた.
[概要] アキラル・キラルなモノ置換アルカンを三次元構造として数え上げるために, 藤田のプロリガンド法 (S. Fujita, Theor. Chem. Acc. 2005, 113, 73--79, 113, 80--86; S. Fujita, Theor. Chem. Acc. 2006, 115, 37--53)を 拡張して,分岐指標 (branching indicators: BIs, i.e, q, t, s, および p)を 新たに導入して,構造に含まれる分岐度を考慮できるようにした. アルカンの個数のデータは, 分岐単項式 (branching monomial: BM) qnq tnt sns pnpの係数として与えられる. ここに, nqは四級炭素の個数, ntは三級炭素の個数, nsは二級炭素の個数, npは一級炭素の個数である (k = nq + nt + ns + np). 藤田のプロリガンド法にしたがって,矛盾をきたさないようにBIを取り入れることに より,再帰計算のための関数方程式を求めた. この関数方程式をモノ置換アルカンの数え上げに適用し, アキラルなモノ置換アルカンの個数, キラルなモノ置換アルカンの個数, 合計の個数を与える母関数を求めた.これらを, 従来の分岐度を考慮しない場合と比較して論じた.
[概要] アルカンを三次元構造として組み合わせ論的に数え上げる際に,分岐指標 (branching indicators: BIs, i.e, q, t, s, および p)を 新たに導入して,構造に含まれる分岐度を考慮した. アルキル前駆体(preformed alkyl moieties: PAMs)を数え上げる ための母関数を,藤田のプロリガンド法 (S. Fujita, Theor. Chem. Acc. 2005, 113, 73--79, 113, 80--86; S. Fujita, Theor. Chem. Acc. 2006, 115, 37--53) によって計算したのち,その結果を アルカンを数え上げるための関数方程式に代入して, 相当する母関数を求めた.その際, 炭素数kのアルカンを, 重心型・双重心型およびキラリティー・アキラリティーにより, 四種類に分類した.四種類のそれぞれについて求めた母関数は, アルカンの個数のデータを分岐単項式 (branching monomial: BM) qnq tnt sns pnpの係数として含んでいる. ここに, nqは四級炭素の個数, ntは三級炭素の個数, nsは二級炭素の個数, npは一級炭素の個数である (k = nq + nt + ns + np). 数え上げの結果は,実際にいくつかの代表的な場合を 描画して確かめた. その際,分岐様式として, [nq, nt, ns, np]なる 記号を用いて,記述を簡略化した. 本方法の結果から, 以前の分岐度を考慮しない方法を用いた結果を導いた. さらに三次元構造を数え上げるための関数方程式 から,グラフを数え上げるための関数方程式を 導出するために,グラフ減縮条件 (graph-reduction conditions)を定式化した. これにより,ポリアの定理が, 藤田のプロリガンド法の特別な場合であることを明らかにした. 立体異性体(三次元構造)と 構造異性体(グラフ)との相異が,従来の 炭素数(分子式)レベルではなく分岐度を考慮したレベルで 詳しく議論できることをしめした.
2009 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 立体異性に関する術語を理解するために, ステレオイソグラム(stereoisograms)を論じた. ステレオイソグラムは, 三つの関係 (エナンチオメリックな関係,RS-ジアステレオメリックな関係, およびホランチメリックな関係)に基づいている. 従来の立体化学では,
[概要] プロキラリティ(prochirality) と プロ-RS-ステレオジェニシティ(pro-RS-stereogenicity) の数学的な定式化は,すでに Fujita, S. Tetrahedron, 2006, 62, 691--705 で報告している.この定義は,軌道のスフェリシティによるもので, 群論の知識を必要とする.本報では, 分子内の二つの対象物(たとえばリガンド)間の関係として, エナンチオトピック(enantiotopic)な関係と RS-ジアステレオトピック(RS-diastereotopic)な関係を 定義したのち,ステレオイソグラムを用いて, それぞれを見わけるための置換基準(substitution criteria)を確立した. エナンチオトピックな関係は,プロキラリティに対応する. 一方,RS-ジアステレオトピックな関係は プロ-RS-ステレオジェニシティに対応する. 置換基準で決めたプロキラリティは, アキラルな分子がプロキラルであることを示す. 一方,置換基準で決めた プロ-RS-ステレオジェニシティは, 分子(アキラルでもキラルでも)の二つの部分(リガンドなど)が, pro-R/pro-S-記述子で区別されることを示す. 従来は,ステレオヘテロトピックなる術語を造語して, プロステレオジェニシティを定義していたが, この方法の問題点を指摘する. 別に,付加基準についても議論した.
[概要] ステレオイソグラムにあらわれる RS-異性体(a quadruplet of RS-stereoisomers) の四つ組み構造を, キラリティ,RS-ステレオジェニシティ, スクレラリティを手がかりにして,5種類に分類する: すなわち, タイプI (chiral/RS-stereogenic/ascleral), タイプII (chiral/RS-astereogenic/scleral), タイプIII (chiral/RS-stereogenic/scleral), タイプIV (achiral/RS-astereogenic/ascleral), および タイプV (achiral/RS-stereogenic/scleral)である. 四つ組み構造のそれぞれは,対応するRS-異性体群G (たとえば四面体プロ分子の四つ組み構造に対する T_{d\widetilde{\sigma}\widehat{I}}) の働きによって一つの同値類とみなせるので,一個と数える ことにする.四つ組み構造の数えあげをおこなうため, Gに含まれる指数2の部分群を考える: すなわち,最大点群G_{C\sigma}, 最大RS-置換群G_{C\widetilde{\sigma}}, 最大リガンド反転群G_{C\widehat{I}}である. 四面体の四つ組み構造の場合は,それぞれ, T_{d}, T_{\widetilde{\sigma}}, T_{\widehat{I}}である. 四つ組み構造は,2個のE対(エナンチオマー対または自己エナンチオマー対)よりなり, それらは,GおよびG_{C\sigma}のもとに同値類となる. 同じ四つ組み構造は, 2個のD対(RS-ジアステレオマー対または自己RS-ジアステレオマー対)から なるとみなすこともでき, それらは,GおよびG_{C\widetilde{\sigma}}の もとに同値類となる. さらに,同じ四つ組み構造は, 2個のH対(ホランチマー対または自己ホランチマー対)から なるとみなすこともでき, このときは,GおよびG_{C\widehat{I}}のもとに 同値類となる. このことを利用して,G and G_{C\sigma} (または G_{C\widetilde{\sigma}}または G_{C\widehat{I}})の もとに,同値類の個数を計算する. この結果を利用して, タイプI〜タイプVの四つ組み構造の個数を計算する. この方法の特定の場合として,ポリアの定理を導く.
[概要] 立体異性体(stereoisomers)と エナンチオマー(enantiomers)との中間の概念として RS-立体異性体(RS-stereoisomers)を 提案した.RS-立体異性体間の関係を 調べるためのステレオイソグラム(stereoisograms)は, 3種類の関係 (エナンチオメリック,RS-ジアステレオメリック,および ホランチオメリックな関係)を含んでいる. これらの関係はそれぞれ, 3種類の属性(キラリティー,RS-ステレオジェニシティー, スクレラリィティー)に相当するので, ステレオイソグラムに含まれる四つ組のRS-立体異性体は, 同値類と見なすことができる. エナンチオメリックな関係と立体異性関係の 間にRS-立体異性関係を介在させることによって, 従来の術語体系はパラダイムシフトを受ける. さらに,同値類を考えると,もう一つのパラダイムシフトを もたらされる. たとえば,RS-立体記述子を付与するためのCahn-Ingold-Prelogシステムの 基礎が,従来はキラリティー/ステレオジェニシティーのいずれとも決めかねて いたものが,本報告のアプローチでは, RS-ステレオジェニシティーであることが明確になる.
[概要] 一級,二級,三級のモノ置換アルカンを三次元構造として数え上げる際に,分岐指標 (四級炭素q,三級炭素t,二級炭素s,and 一級炭素p) を導入して,分岐度を評価した. 炭素数kのモノ置換アルカンが, nq個の四級炭素, nt個の三級炭素, ns個の二級炭素,および np個の一級炭素 (k=nq + nt + ns + np) を含むとき, qnqtntsns rnrxk. であらわされる分岐指標の積(分岐単項式)で分岐の様子を 示すことができる. 三次元構造としての一級,二級,三級のモノ置換アルカンの個数を, 該当の分岐単項式の係数とする母関数を求める ことにより数え上げる. 藤田のUSCI(unit-subduced-cycle-index)法 (S. Fujita, Symmetry and Combinatorial Enumeration in Chemistry, Springer-Verlag, 1991) and modified by Fujita's proligand method (S. Fujita, Theor. Chem. Acc. 2005, 113, 73--79, 113, 80--86; (S. Fujita, Theor. Chem. Acc. 2006, 115, 37--53) および藤田のプロリガンド法 (S. Fujita, Theor. Chem. Acc. 2005, 113, 73--79, 113, 80--86; (S. Fujita, Theor. Chem. Acc. 2006, 115, 37--53), により求めた3種類のスフェリシティー指標 ad(ホモスフェレックサイクル) cd(エナンチオスフェリックサイクル),および bd(へミスフェリックサイクル)を, 関数 a(xd, qd, td, sd, pd), c(xd, qd, td, sd, pd), および b(xd, qd, td, sd, pd) で置き換えて,関数方程式を導出する.関数方程式を再帰的に用いて, 一級,二級,三級のモノ置換アルカンの個数を与える母関数を求める. それぞれをアキラル・キラルに分けて,個数を炭素数15まで計算した. グラフとしてのモノ置換アルキルについても計算し比較した.
[概要] モノ置換アルカンが三次元(3D)構造からグラフへ減縮する過程で, 不斉・擬不斉炭素がどのように関与するかをあきらかにした. 5種のタイプに分類したのち (S. Fujita, J. Org. Chem., 2004, 69, 3158--3165), 炭素数と不斉・擬不斉炭素数を考慮しながら,モノ置換アルカンの個数を再帰的に 求めた.再帰的な手法としては, 藤田の方法(S. Fujita, Bull. Chem. Soc. Jpn., 2008, 81, 193--219; S. Fujita, MATCH Commun. Math. Comput. Chem., 2008, 59, 509--554)を 改良した,より簡便な方法を用いた. 三次元(3D)構造とグラフを比較するために,グラフ減縮条件を採用し, これにより,非再帰の関数方程式を,グラフに関する方程式に減縮することができた. 「不斉・擬不斉をもつ3D構造」という観点を「不斉のみをもつグラフ」と いう観点と比較することによって,3D構造のための関数方程式を 議論した.とくに,ポリアが有名な論文 (G. Polya, Acta Math., 1937, 68, 145--254) の 第60節で述べた方程式を, 上記二つの観点を比較することにより批判的に 議論した. L個の不斉炭素をもつ立体異性体の個数が2L であらわすという立体化学の慣用を,二つの観点を比較することにより 再検討した.
[概要] アルカンの個数を, 「不斉・擬不斉をもつ3D構造」と「不斉のみをもつグラフ」という二つの観点 から求めた.アルカンをタイプI--Vに分類したのち (S. Fujita, J. Org. Chem., 2004, 69, 3158--3165), それらを求める非再帰の関数方程式を求めた.このとき, 3種類の関数方程式を用いた.すなわち, アキラルリガンドを数え上げる関数方程式a(x,y,z), 二倍体(diploids)を数え上げるc(x2,y2,z2)$, およびキラル・アキラルリガンドを立体(的)異性体を数え上げるb(x,y,z)である. 求めた母関数おいては,「不斉・擬不斉をもつ3D構造」としての異性体の個数を xkylzmの係数として与える. 一方,グラフ減縮条件a(x,y,z) = c(x,y,z) = b(x,y,z) = r(x,y)によって 「不斉のみをもつグラフ」としての異性体の個数を求めた. この減縮条件の過程でタイプII, III, Vは0個となる.このとき, 母関数のzの項は消えるが,yの項は残る. l個の不斉炭素をもつ立体異性体の個数が2l であらわすという立体化学の慣用を,二つの観点を比較することにより 再検討した.
[概要] 立体異性を解析するためのステレオイソグラムから導いたRS-ステレオジェニシティー概念を用いて, Cahn-Ingold-Prelog (CIP) システムの基礎を再定義した.従来のRS-立体記述子の付与は, 最初の版ではキラリティー(エナンチオメリック関係)に基づくとされていたが, のちにステレオジェニシティー(エナンチオメリックおよびジアステレオメリックな関係)に 基づくと変更された.いいかえれば,従来のRS-立体記述子は,エナンチオマーの対あるいは ジアステレオマーの対に付与されるとされていた.これらの従来の考えをすべて捨て去り, 本方法では,「RおよびS立体記述子は,RS-ジアステレオメリックな関係にある 二つの分子を対とみなして付与される」とする.従来法のステレオジェニシティーと 本方法のRS-ステレオジェニシティーとはまったく異なった概念であり,本方法のほうが, より合理的なものとなっている. これまでに蓄積されてきた従来法による結果をできるだけ活かすため, キラリティー忠実性という概念を導入した.これにより,本方法による立体記述子 (RS-ジアステレオマー対に付与)を従来法による立体記述子(エナンチオマー対または ジアステレオマー対に付与)に翻訳する際に,翻訳が忠実におこなわれるかどうかを調べる. 従来のエナンチオマー・ジアステレオマー二分法が単純化しすぎであることをあきらかにし, エナンチオマーをRS-ジアステレオマーに置き換えた二分法に変更するパラダイムシフトが 必要であることを明らかにした.
[概要] プロ-R/プロ-S法を,プロ-RS-ステレオジェニシティーを用いて再定義した. この新しい方法では,ステレオイソグラムを描くことにより,RS-ジアステレオトピックな関係に ある二つのリガンドを対にして,pro-R- および pro-S-記述子を与える.ステレオイソグラム を拡張して,RS-ジアステレオトピックな関係を判断できるようにする対称基準を開発した. 従来のpro-R/pro-S-記述子の定義には,もともとの「プロキラリティー」(エナンチオトピック およびジアステレオトピックな関係)によるものと「プロステレオジェニシティー」(ステレオへテロ トピックな関係)による改訂版があるが,これらの定義を(定義に用いたエナンチオトピック以外の 術語も)すべて捨て去る.新しい定義では,エナンチオトピックな関係および等価な エナンチオスフェレックな同値類に基づくようにプロキラリティーの定義を変更することにより (S. Fujita, Symmetry and Combinatorial Enumeration in Chemistry, Springer-Verlag, Berlin-Heidelberg (1991)),プロキラリティーを純粋に幾何学的な意味に用いる.分子内の環境を 記述するのに用いるプロ-RS-ステレオジェニシティーおよびプロキラリティーは, 分子間のRS-ステレオジェニシティーおよびキラリティーに対応することを明らかにする. 分子間で立体異性と幾何学的特性とを調和させたこと (S. Fujita, J. Org. Chem., 69, 3158-3165 (2004); J. Comput. Aided Chem., 10, 16-29 (2009)) に 対応して,分子内でも同様な観点を導入する.分子内でのプロ-RS-ステレオジェニシティー およびプロキラリティーの調和のため,pro-R/pro-S-記述子のキラリティー忠実性について 論じた.
[概要] 化学構造式を含む化学文書の作成方法を概観した. とくに,筆者の単行本刊行の経験を引きながら, TeX/LaTeXの導入の前とあと,XyMTeXの開発の前とあとを比較し, もたらされた相異を強調した.まず, XyMTeXの命令を線形記法とみなすことにより,より汎用的なXyM記法を開発し, さらに化学構造を記述するための新しいマークアップ言語としてXyMML (XyMマークアップ言語) を開発した経緯について述べた. XyMMLのコードを含むXML文書を, XyM記法を含むHTML文書に変換する方法を開発し, さらにJavaアップレットとして新たに開発したXyMJavaシステムを組み合わせることにより, インターネット画面上に構造式を含む文書を表示する新規な方法を開発した. 一方,XyMMLのコードを含むXML文書を,XyMTeX命令を含むLaTeX文書に変換することにより, 高品質の化学構造式をプリントアウトする方法を開発した. XyMTeXバージョン4.04で追加したステロイドなどの描画を例にとって, PostScript文書経由でPDF文書とすることにより, 論文投稿や書籍刊行に使えることを論じた(TeXユーザーの集い2009での講演をもとに拡充したもの).
2010 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] シクロブタン誘導体の立体異性を議論するための強力な道具として, ステレオイソグラム相関図(Correlation diagrams of stereoisomers)を開発した. シクロブタン骨格は,点群D4hから出発して構成した RS-異性群 (RS-stereoisomeric group)に属する. このRS-異性群のもとに構成したステレオイソグラムの主相関図によって, シクロブタン誘導体の大域的対称性を記述する. 一方,RS-ステレオジェニック中心の局所対称性を取り扱うには, その中心を取りだしたプロ分子(点群Thの四面体骨格の誘導体とみなす) を記述するように構成したRS-異性群を用いる. これらのプロ分子を相互に関係付けるために,ステレオイソグラム相関図 を利用する.RS-立体記述子をステレオイソグラム相関図に 基づいて議論する.
[概要] 立体異性体の集合を特徴付けるために,「ステレオイソグラム相関図」という概念を提出した. 立体異性体のそれぞれは, RS-ステレオジェニック中心における四面体単核プロ分子,あるいは 考慮すべき結合における二核プロ分子とみなす. 藤田の定式(Fujita,~S. J. Org. Chem. 2004, 69, 3158--3165)に したがって,そのようなプロ分子の四つ組によって構成される ステレオイソグラムを考える.そのようなステレオイソグラムを集めて, 注目している中心(あるいは結合)における相関図を構成する. すべてのRS-ステレオジェニック中心(あるいは結合)について, このような相関図を作成し,相関図の集合を構成すると, 立体異性体の集合を特徴付けることができる. 各ステレオイソグラムは, 各RS-ステレオジェニック中心(あるいは結合)における 局所的なキラリティー/アキラリティーおよび 局所的なRS-ステレオジェニシティー/RS-アステレオジェニシティーを あらわしているので,ステレオイソグラム相関図は,そのような 局所対称性の総合的な特徴を示している. 考えている結合の周りに2個または4個のRS-ステレオジェニック中心をもつ 場合について,縮退・非縮退を考慮して,ステレオイソグラム相関図を検討した. それによって,従来の「エナンチオマー・ジアステレオマー二分法」が 単純化しすぎていることを詳しく論じた.
[概要] 立体異性体を特徴付ける「ステレオイソグラム相関図」を 開発した.この結果, ステレオイソグラムを単独で用いるよりも, 幾何学的および立体異性的な特徴に 関する情報がさらに多くえられる. ステレオイソグラム相関図によって, 立体化学の従来の術語体系や関連する 化学情報学の実務では解決できなかった問題を 解決することができる.たとえば, 「エナンチオマー・ジアステレオマー二分法」が単純化しすぎていること, RS-ステレオジェニシティーとキラリティーの未分化, 局所的なRS-ステレオジェニシティーを見逃していること, 局所的なRS-ステレオジェニシティーと局所的なキラリティーとの 混同,CIP命名法における鏡映不変の場合の誤解など, 従来の立体化学では十分に説明できない問題を解明することができた.
2011 [学術論文の先頭へ戻る] [学術論文の末尾へ進む]
[概要] 立体異性を分子対称性と整合性がとれるように, ステレオイソグラムとステレオイソグラム相関図に 関係づけたRS立体異性群から出発して,新しい立体異性の理論体系を構築した. 立体骨格の置換位置に関して, RSステレオジェニック中心のそれぞれにエピメリゼーションを考える. これらのエピメリゼーションの積と鏡映操作によって,立体異性現象を記述する.
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1969-1979 [総説・総合論文の先頭へ戻る] [総説・総合論文の末尾へ進む]
[概要] 炭素活性種カルベンおよびベンザインについて それまでの知見をまとめた. カルベンの項を分担執筆した.
[概要] 10章からなる総説集のうち第5章(ニトレン)を執筆.
[概要] 有機化合物合成法の一項目として執筆. Cyclododeca-1,5,9-trieneから表題の化合物を合成する方法.
[概要] 有機化合物合成法の一項目として執筆. 9b-Boraperhydrophenaleneから表題の化合物を合成する方法.
[概要] ヘテロファンの合成と構造について概説した. とくに新に合成したピリジノファン,ピラゾロファン, フラノファン,チオフェノファン等を中心に, 立体配座等を論じた.
[概要] 有機化合物合成法の一項目として執筆. Butyroinから 表題の化合物を合成する方法.
[概要] N-Ethoxycaronyl-7-azabicyclo[4.1.0]heptane をジメチルスルフォキシドにより酸化開裂して 表題の化合物を合成する方法. 有機化合物合成法の一項目として執筆.
[概要] キノンの還元に使われてきた各種反応剤と 新たに開発したN,N-ジエチルヒドロキシルアミン を比較した.
1980-1989 [総説・総合論文の先頭へ戻る] [総説・総合論文の末尾へ進む]
[概要] インスタントカラー写真の仕組みを説明したのち, 用いられる色材, とくに色素現像薬と 色素放出剤についてその機構を述べた.
[概要] インスタントカラー写真用色材として 色素現像薬,o-スルホンアミドフェノール色素放出剤, p-スルホンアミドフェノール色素放出剤等を採り上げて それらの合成を詳しく述べた.
[概要] キノンビスアセタールおよびモノアセタールの合成方法を まとめ,それらの 合成中間体としての応用を述べた.
[概要] 色素放出剤方式によるインスタントカラーフィルムの 発色の仕組みを分かりやすく説明した. とくに層状に塗布した各層がどの様な 役割をもっているのかを明らかにした.
[概要] o-スルホンアミドフェノール色素放出剤方式による インスタントカラーフィルムの開発について 述べた.この業績により昭和57年度有機合成化学協会賞 を受賞した.
[概要] o-スルホンアミドフェノール色素放出剤を機能性色素 として捉えて解説した.
[概要] インスタントカラー写真 とコンベンショナル写真を比較して 両者の特質を論じた. とくに銀画像を色素画像に変換する方法として 有機化合物がきわめて巧妙に使用されていることを 説明した.
[概要] カラー写真に用いる機能性の色素(発色カプラー, 色素現像薬, 色素放出剤,銀色素漂白法用アゾ色素等) について概説した.
[概要] カラー写真フィルムには多くのイオウ化合物が用いられている. チオール, スルフィド,チオールのエステル誘導体,スルホン, チアゾリジン等についてその作用を詳しく述べた.
[概要] 含硫黄系写真用有機化合物の項を執筆(分担執筆). とくに,インスタントカラー写真のタイミング機構に 使われる化合物を中心に解説した.
[概要] o-およびp-キノン モノスルホンイミド, o-およびp-キノン ジスルホンイミドについて, 合成法,反応,写真への応用をまとめた.
[概要] コンベンショナルカラー写真とインスタントからー写真 の特徴をまとめた. インスタントカラー写真の項を執筆.
[概要] Td点群をもつメタンおよびアダマンタンから 誘導される化合物の対称性を組織的に 分類した.
[概要] 従来用いられて来た有機反応の表現方法を コンピューターシステムに利用できるかという観点から 批判的に論じた.とくに 『構造--反応型式』パラダイムという 視点を提出して,能率のよいデーターベース構築のためにはこの パラダイムを克服しなければならないことを 明らかにした.
[概要] 写真用色素の数項目を分担執筆.
[概要] それまでに展開して来た虚遷移構造に関する 論文の内容をまとめて総合論文とした. 虚遷移構造式(ITS)が通常の構造式の拡張になっているため, 構造式におけ部分構造検索の手法が,ITSに拡張できることを 示した.
1990-1999 [総説・総合論文の先頭へ戻る] [総説・総合論文の末尾へ進む]
[概要] インスタントカラー写真用色素放出剤 の色素部分と機能部分(o-スルホンアミドフェノール部分) の分子設計を詳しく述べた. シアン,マゼンタ,イェローの色素放出剤の 合成経路の設計および重要な単位反応の検討に ついても触れた.
[概要] o-スルホンアミド色素放出剤のの分子設計を詳しく述べた. 色素放出反応の機構と退色機構の検討により, 優れた性能をもつ色素放出剤を開発した. 合成経路の設計および重要な単位反応の検討に ついても触れた.
[概要] 分子設計と合成設計をいかにR\&Dの現場に役に立てるかを述べた. インスタントカラー写真の開発を例に取って, 設計,評価,合成のプロセスの連携について論じた.
[概要] 反応検索システムFORTUNITSは, 登録サブシステム,処方書誌登録サブシステム 検索サブシステム(以上は大型計算機上のTSSで稼動), ITS解析サブシステム,化合物解析システム(以上はバッチシステム)から なる統合システムである.FORTUNITSの機能と開発経過について述べた.
[概要]
虚遷移構造(ITS)を反応の表現方法としたデータベースFORTUNITS
を構築した.反応形式の検索を,ITSの部分構造検索の形で行う
ことができる.
オンライン版
[概要] \LaTeX{}による文書作成を,電子出版の手段としてとらえて, メリット・デメリットを解説した. \LaTeX{}が論理構造のマークアップを基本としていることを強調し, ワードプロセッサーのレイアウト指示との相異を指摘した.
[概要] 群論の化学への応用について解説した.特に,剰余類表現の 重要性を指摘した.
[概要]
USCI (unit-subduced-cycle-index)法に基づく数え上げの
方法の基礎となる考えを述べ,剰余類表現の減縮の重要性を指摘した.
オンライン版
[概要] 社内のLAN上で稼動する化合物データベースシステムを構築した. 従来の大型計算機によるデータベースに比較して, ユーザーインターフェースに優れ,利用ユーザーの拡大がもたらされた.
[概要]
社内のLAN上で稼動する化合物データベースシステムを構築した.
検索アルゴリズムとして,木構造型のデータ構造を基本としたものを
採用した.
オンライン版
[概要]
[概要] 記録材料学研究室でおこなっている情報化学に関する研究について 紹介した.
2000-2009 [総説・総合論文の先頭へ戻る] [総説・総合論文の末尾へ進む]
[概要] ホームページを始めとするマークアップ式の構造化文書が注目を集めている. この方式を化学のドキュメンテーションに応用するには その目的にみあった化学構造式の表現方法が必要である. 著者らは,すでに文書中に化学構造式情報を埋め込むための線形化学表現XyM Notationを提案している.この方式による入力コードは, IUPAC命名法を参考に単純な規則を取り入れたため, 文字列のテキスト情報としても,化学構造式を化学者に理解可能なものである.本 稿ではXyM Notationを印刷・出版に応用した例として,XyMTeXの開発について のべる.さらにインターネットブラウザーでの活用例として, XyMJavaの開発について概略をのべる.
[概要] 著者が提案しているスフェア性(sphericity)および関連の 基本概念をのべ,これらが立体化学の諸現象を組織的に理解する上で 不可欠であることを論じた.従来のアプローチの基礎となっているリガンドの 置換性(permutability)を,純粋立体化学の立場から批判的に論じた. 著者らの力点は,同値類(orbit)とそれを規定するスフェア性にあり, これを出発点として,四面体の骨格をもつ化合物について,詳しく論じている.
[概要] 立体化学の従来の概念や術語を,新しい観点ものとに体系化する ために,剰余類表現(coset representations)およびその減縮(subductions)に 基づく諸概念を提案した.スフェア性(sphericity),SCR命名法など を論じ,従来のトピック性や点群そのものを使う方法よりも 優れていることをしめした.
[概要] 印刷にもインターネット配信にも使える構造式の表現として, XyM記法を提案した.XyM記法を線形表現の一種としてとらえて, 結合表などの別の表現方法と比較して論じた.
[概要] 立体異性体(RS-立体異性体)間の関係を再検討するために 提案したステレオイソグラムは,三種の関係 (エナンチオリック,RS-ステレオジェニック,および ホランチメリック)を含んでおり,これらは 三種の属性(キラリティー,RS-ステレオジェニシティー,および スクレラリティー)のそれぞれに対応している. これら三種の関係は,分子内の関係を記述するための 三種の関係(エナンチオトピック,RS-ジアステレオトピック, ホランチトピック)と関係している. このうち,エナンチオトピックという術語はプロキラリティーを定義し, RS-ジアステレオトピックという術語は, プロ-RS-ステレオジェニシティーを定義するのに用いる. 後者のプロ-RS-ステレオジェニシティーは, pro-R/pro-S-命名法の基礎となるもので, ちょうどRS-ステレオジェニシティーが, R/S-命名法の基礎となっていることの 相当している.プロキラリティーおよび プロ-RS-ステレオジェニシティーを 見分けるための規約として,置換基準について述べる.
[概要] 「写真の有機化学」 をシュプリンガーから出版したときの状況を, 銀塩カラー写真からディジタル写真への移り変わり, 特許データベースの利便性,XyMTeXの利用などの 観点から述べた.
[概要] XyMTeXによる構造式描画を,IUPAC命名法と 関係づけて紹介した.
2010-2019 [総説・総合論文の先頭へ戻る] [総説・総合論文の末尾へ進む]
[概要] 与えられた炭素数をもつアルカンやモノ置換アルカンの数え上げは、 130年以上にわたって化学者や数学者によって研究されてきたが、 最近になって、本著者により化学的・数学的な要請に合致する形で解決された。 この総合論文(Accounts)では、この問題を解くための 方法論の進歩を、化学と数学との学際的な観点から論ずる。 三つの画期的な業績、すなわち、 数学者Cayleyによる最初のエポック (1870年代)、 数学者Polyaによる二番目のエポック (1930年代)、および 有機化学者藤田 (本著者) による三番目のエポック (今世紀初頭) を 強調して、この学際的な問題の歴史的背景を概説する。とくに、 第二と第三のエポックにおける業績を詳しく比較し、 数学的術語としてのグラフ (木、根木、根付の木) と三次元対象物を、 化学的術語としての化学構造 (二次元構造) と三次元構造に関係付ける。 異性と立体異性に関する術語を概説したのち、 アルカンとモノ置換アルカンをPolyaの定理を用いて、 グラフあるいは構造異性体として数え上げる。 一方、同じ対象を藤田のプロリガンド法を適用して、 三次元対象物あるいは三次元構造異性体として数え上げる。 立体化学と数学の間に横たわる障碍は、 これまで多少の皮肉をまじえて「藤田の王国」(the Heavens of Fujita) と して漫画化されてきた。130年来の懸案の問題に関して、二つの見方で論じること によって、この障碍を乗り越えるためのヒントあるいは手がかりがえられよう。
[概要] 筆者が提案しているUSCI (unit subduced cycle index)法を, プロリガンド,キラリティー適合性などをキーワードにして 概説した.(本シリーズ第I回および第II回は細矢治夫 教授執筆).
[概要] 筆者が提案しているマーキャラクタ法を, フラーレンC60の数え上げに適用し, USCI法と比較して概説した.
[概要] 筆者が提案している特性単項式法とプロリガンドを, フラーレンC60の数え上げに適用し, 両者を比較して概説した.
[概要] 筆者が提案しているUSCI法を拡張して, フラーレンC60のケクレ構造を, 組合せ論的に数え上げた.このためには, フラーレンC60の辺への置換を, 「辺の両端を共有しない」という条件のもと に,置換位置の軌道を選択する操作が必要である. 領域指示変数と領域判別式という概念を 導入して,条件の定式化をおこなった.
[概要] ステレオイソグラム法によって, キラリティーとRS-ステレオジェニシティーが独立な概念であること, プロキラリティーとプロ-RS-ステレオジェニシティーが独立な概念であることを 結論した.このことにより,従来の立体化学で使われていた 「キラリティーとステレオジェニシティー」および 「プロキラリティーとプロステレオジェニシティー」は,概念が混乱していること をあきらかにして,今後は使用をやめるべきことを提案した.さらには, 「エナンチオトピック」,「ジアステレオトピック」,「ステレオへテロトピック」など の関係をあらわす用語も,あらたに定義した 「エナンチオトピック(純粋に幾何学的な概念を示す用語)」,「RS-ジアステレオトピック」,「RS-ステレオへテロトピック」など 用語に置き換えなければならないことを示した.
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[概要] o-スルホンアミドフェノール色素放出剤方式による インスタントカラーフィルムの開発について (1)o-スルホンアミドフェノール部分の開発 (2)色素部分の開発(3)合成に分けて講演した.
[概要] 有機反応の新規表現法として虚遷移構造を提案した. 虚遷移構造は,通常の構造の拡張とみなせるため, 反応検索を虚遷移構造の部分構造検索として 取り扱うことができる.
[概要] 化学情報学の確立を目差して, 有機反応のコンピューター指向の表現法として虚遷移構造を提案した. この講演は注目を集め,この年会のトピックスとして 採り上げられた(Chem. Eng. News, 64, 75--76 (1986)).
[概要] 天然物国際会議のコンピューター化学のコロキュウムにおいて, 招待講演を行った.有機反応のコンピューター指向の 表現法として 虚遷移構造を,分類法の観点から論じた.
[概要] 有機反応の数え上げを,基本の反応グラフに恒結合(par-bond)を置換させる ことに帰着し,USCI法を適用した.
[概要] 虚遷移構造(ITS)を基本にした有機反応データベースの 構築について述べた.
[概要] 虚遷移構造(ITS)を基本にした有機反応データベースの 構築について述べた.コンピュータによる反応経路探索の の基本エンジンの観点から,その機能を解説した.
[概要] 虚遷移構造から出発して,情報化学における組み合わせ論的数え上げ の必要性についてのべた.USCI法について概説した.
[概要] TeXによる縦組組版の方法を詳しく論じた.
[概要] 組み合わせ論的数え上げのために新たに提案した特性単項式法を, 先に提案した単位減縮循環指標(USCI)法と比較した.
[概要] 2002年度日本コンピュータ化学会学会賞の 受賞講演. 虚遷移構造による有機反応の分類・数え上げなどを 総合的に論じた.
[概要] 立体化学を再構築するために,Sphericityの概念 に基づいたUSCI法について概説した.
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